デンタルエージとは [最適最善歯科治療]
デンタルエージを開発者である並河宏本先生の文献より抜粋させていただき説明します。
1、生体抵抗力を相対的に定性評価する方法の開発
現在の患者の口腔組織の破壊状況は、過去における原因と抵抗力のバランスの結果である。治療後の将来において疾患が再発しやすいかどうかも、原因と抵抗力のバランス如何による。つまり現在の口腔組織の破壊程度を定量的に評価することにより原因と抵抗力のバランスを評価すれば、将来における再発の可能性を推し量ることができる。
つまり再発の可能性を最小にする治療計画を立てることに反映できるようになるのである。
そこで、現在の口腔組織の破壊程度を定量評価する方法を考案し、統計的に原因抵抗力バランスを定性する方法を確立した。
このシステムを用いれば、別紙に記載したとおり、歯科臨床において多用な活用場面が考えられる非常に有用なものである。正しく運用すれば歯科医師のみではなく、国民にとっても様々な利益をもたらすものと考える。
2、デンタルエージの計算式
口腔組織の破壊程度を評価する指標を、年齢に模して表せば患者にも理解しやすい。つまり全く無傷で健康そのものである場合を0才とし、究極的な破壊状態であるすべての歯がなくなった状態を100才とするのである。そこで、この指標を特にデンタルエージと名づけた。
全口腔の28本の歯が全部なくなって100才になるとすれば100÷28=3.57で、歯1本の持ち点が3.57となる。ところが、破壊程度を二大疾患(虫歯と歯周病)に分けてそれぞれ数段階に評価するとなれば、持ち点が3.57というのは少々窮屈である。ここでひらめいて、3.57を単純に3倍すれば10.71となり、残存する歯1本につき二大疾患をそれぞれ5段階評価する歯に10.7点を与えれば、つじつまが合うことになる。
28本の評価された持ち点を総合計して、3で割れば、その患者のデンタルエージが算出される。
歯1本の評価点数T=虫歯評価+歯周病評価(存在する歯=0~10点、喪失した歯=10.7点)
並河宏本先生文献抜粋
3、デンタルエージの活用
ⅰ歯科医師にとっての活用(有用性)
・患者の生体抵抗性の評価ー治療計画作成時の診断基準となる
・治療後の経過の客観的な評価ー健康を維持できているかの判断基準となる など
ⅱ患者にとっての活用(有用性)
・歯科医師にデンタルエージを評価してもらうことにより最善最適な治療計画を提示してもらえる
・自分の口の中がどんな状態かを数値で判断ー生体抵抗力をわかりやすく理解できる
・メンテナンスにおいて、健康を維持できているかの判断が容易 など
次回は「お口の二大疾患の原因とは」を予定しております。
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